相談事例

相談事例

出頭命令

 

労働基準監督署から出頭命令(監督署に来所するようお願い)が来ました。どうすればいいでしょうか?

 

まず、状況を把握しましょう。監督署に電話を入れ、監督官と話をし、相手側の主張を聞いてみましょう。それに対しての反論を準備してから行きましょう。呼び出し日に予定が入っていれば出頭日を変更してもらうことも可能です。何も連絡せずに出頭日に行かないと後日立ち入り調査がはいり、不利な状況にもなりかねませんのでそのようなことは避けてください。

監督署への申告

 

従業員が「監督署に行く」と言ってきました。どうすればいいでしょうか?

 

この場合は会社に非があるのかないのかにかかわらず、まず「どうぞ監督署に行ってください。」と伝えてください。労働基準監督署に行って申告をすることは労働基準法にも規定されており従業員の当然の権利ですのでそれを止めることはできません。労働基準監督署も一方的に会社を悪者扱いするようなことはありません。公平な立場で見てくれるので問題解決につながることもあります。

解雇予告手当

 

退職した従業員から「解雇予告手当を払ってくれ」と言ってきました。

 

解雇は会社から当従業員への一方的な通知が到達することにより効力が発生します。なので、解雇通知をしていないのであれば解雇したことにはなりません。解雇したことにならないのですから解雇予告手当を支払う義務はありません。

解雇をする権限がない従業員、例えば現場のリーダー(人事権はない)が、感情的に「お前なんかやめろ。」とか「君はもう来なくていい」とか言った場合は有効な解雇通知をしたことにはならず解雇にはならないと考えられます。

有給休暇一括取得

 

退職する予定の従業員が有給休暇を2か月分取得すると言ってきました。いう通りにしないといけないのでしょうか?

 

有給休暇は従業員の権利なので退職の際、請求してきた場合は原則、主張してきた日数を消化してもらうことになります。ただ、退職届をすでに提出している場合は就業規則にある退職届効力発生要件を満たし、退職(退職日)が決定しているばあいであれば退職日以降の有給休暇は取得することができません。有給休暇の取得は在職が前提だからです。この場合は退職日までの有給休暇取得で問題ありません。

 

退職届はもらっているので退職日まで取得してもらうようにします。今後のために何か対策はありますか?

 

有給休暇取得の趣旨は体を休めることにあるので在職中に取得してもらうようにし、退職時に残日数が大量に残らないようにします。よって有給休暇残日数の管理を怠らないようにしてください。また、就業規則に有給休暇を消化する条文を設定してください。また、退職の際の有給休暇の一括消化を防止するための条文も設定し、在職中に有給休暇の消化を促すようにします。

退職の効力発生

 

問題社員が「こんな会社辞めてやる!」といって辞表をたたきつけて出て行ってくれたんでみんなでほっとしていたところなんです。ところが3日経って平然と出勤してきたんです。どうすればいいですか?

 

就業規則の自己都合退職の効力発生要件の条項を見せ、「君の退職は確定したんですよ」と言いましょう。 

就業規則に退職の効力発生の要件を入れ込んであれば問題ありません。退職の効力が発生した以上は撤回はできないことになりますので、淡々と退職の手続きを進めてしまってかまいません。

自己都合退職みなし

 

従業員が出勤してこなくなりました。連絡も取れませんし、家にも行ってみましたが、誰もいないようです。このまま無断欠勤が続いた場合は就業規則の解雇条項を適用して解雇してもかまわないでしょうか?

 

無断欠勤でもありますので就業規則の解雇事由に該当し、解雇することも可能のように考えられますが手続き上、解雇は困難であると思われます。解雇は会社の単独行為ではありますがその意思表示が相手に到達され効力が発生します。行方不明が続いた場合は従業員に解雇の意思表示が到達しませんから解雇は無効になる可能性が高いです。

 

解雇もできないのであればしばらく様子見しかないのでしょうか?社会保険料の負担もあるし、会社にとっても不利益が大きいです。

 

就業規則に設定してあります。「自己都合退職みなし」の規定を使いましょう。規定の要件を満たしときは自己都合退職とし、退職の手続きを進めていきましょう。ただ、それまでは可能な限り、本人と連絡を取れるよう努力してください。